今まで元気だった、元気そうに見えた患者が、治療・入院およびホテルの最中・ワクチン・通院の後等、突然容態が悪化し、時として生命を落とす、そんな事が極稀にあります。
◎現在ワクチンに対しての死亡事故は、報告のあったものだけで10万分の3、各ワクチンには予防効果とは別にリスクが伴います。しかし、混合ワクチンを接種しなければ天寿を全うできない子がほとんどなのは言うまでもなく、外出の多い猫ちゃん等は100%全うできないと言っても過言ではないでしょう。
◎入院中のストレスにも書きましたが、動物にはペットホテルや入院に付いて十分説明して納得してもらう事はできません。家族と一緒に安心し寛いでいる状態から引き離された不安やストレスから、下痢・嘔吐をする動物も多く、吐いたものを喉や肺に詰まらせ死亡するという事故が、都内だけでも毎年100件以上あるという資料があります。数自体は、動物は上を向いて寝ないため、人間の病院や老人ホームと比べ非常に低い数字ではあるのですが、だからといって無視できるほど低い数とは言えません。
◎一見元気そうに見える子であっても、レントゲンや血液検査では発見できない重篤な奇形やアレルギー、心臓疾患等があり、手術中または手術後に亡くなるケースもあります。
◎ホテルの散歩中、急に噛み付いて逃げ出す、突然飛び出してきた有毒生物を飲み込んでしまう、と言った事故も起こるかもしれません。
当院でも、細心の気配り・注意をしているのにも関わらず、平成12年から21年にかけて、ワクチンの副作用1件を含む2件の死亡事故がありました。私たちはその2頭のご冥福を祈るとともに、物言えぬ動物の生命を守る難しさを噛み締めつつ、医療の持つリスクとその克服、人的管理能力の引き上げの努力をこれからも続けて参ります。
